セミナーレポート
  ←back next→

1.目標設定の"意味"を考え直す

営業部隊の目標設定は、現状の力量で達成できる水準より、やや高めに設定する。 
なぜ、高めの目標設定を行うのか考えてみたい。

 まず「第一の効用」は、会社としての収益確保、拡大である。企業は、基本的には利益を追求する組織体である。したがって1円でも多くの利益を確保したい。そのために、現在の力量よりも高めの目標の設定を行うわけだ。

 「第二の効用」は、営業部隊としての力量のアップ、質のアップである。このことは、現場で語られることは少ない。しかし、非常に重要な意味を持っている。

 目標設定の意味を考え直すとき、常にこのような「高めの目標設定」の裏にある「営業部隊の質的向上、力量の向上」という二つめの意味を見失ってはならない。

2.ほおっておけば・・・

 Y社の営業部門に極めて優秀なセールスマンがいた。セールスマネジャーのA部長が指導をするまでもなく、自分でさまざまな営業方法を考えだし、自分の目標を達成してきた。
A部長は、このセールスマンを「自分で育つのが本物だ」と自慢だった。

 ところが、ある日突然、この優秀なセールスマンが辞表を持ってきた。
 「この会社で自分は一生懸命目標を達成してきました。ほとんど誰の手も借りていません。でも給与が上がるわけでもなく、毎年ノルマが増えていきます。もうやってられません。自分の営業を高く評価してくれる会社があります。そこに転職したいと思います。」
というのが辞表を提出した彼の言葉だった。

 A部長は、数ヵ月後、意気揚々とライバル会社で働いている彼の姿を目にしたのである。

この話しを聞いて、どう感じるだろうか。A部長は、ただ部下の力に頼っていたにすぎない。セールスマネジャーとしての仕事をしていなかったのだ。このような状態では、できる部下から辞めていく。

 さらに問題なのは、この対極の「あまりできないセールスマン」だ。彼らは、目標達成のためにどうすれば良いのかわからない。方法を教えてほしいと考えている。
 ところが、セールスマネジャーは、できの良くない彼らには叱咤激励するだけで、できるセールスマンに稼がせて、なんとか目標達成している状態が実態である。できるセールスマンが辞めてしまえばとんでもないことになる。

3.目標達成のための自社流のノウハウ形成

 大変うまくやっている、惣菜や弁当のトレーやパッケージを製造・販売しているX社を紹介する。

 X社にも当然数値目標はある。毎年、前年より高い数値目標が課せられる。X社で注目すべきは、「数値目標をどうやって達成するのか」ということに焦点を当てたマネジメントを行っていることだ。
 X社のお客様は、量販店やスーパーの惣菜売り場だ。お客様の惣菜の売れ行きが伸びてこそ、自社のトレーやパッケージの売上が伸びる、ということを理解していた。そこで「お客様の売り場がどうすれば活性化できるのか、お客様の担当者といっしょに考えて提案せよ」という指示を徹底した。
 各担当者は必死に考えた。どうしたらよいか客先の担当者といっしょになって考える。すると一人か二人は、よい案を考え、お客様の売上アップに貢献する者がでてくる。
 X社のすごいところは、こうやって積み上げられたノウハウを、会社全体で共有させるところだ。月に一度、セールスマンを集めて成功例の報告会を行わせる。そうすることによってできの悪いセールスマンにもある程度のノウハウが移植される。誰だって「成功したい」のだ。成功事例は、なによりも薬になる。このことによってX社は、毎年、売上・利益を拡大し続けている。



ここで気づいてほしいのは、「高い目標を達成するために、自分の部隊になにを指示し、指導すればよいのかをセールスマネジャーは自らよく考え、実践しなければならない」ということだ。
 逆の言い方をすれば、現在の営業部隊の質や力量では少々達成がむずかしいと思われる目標が設定されているからこそ、そこに創意工夫が必要になる。これをなんとかしようと日々努力することによって、はじめて営業部隊の質や力量が上がるのである。
・・・前へ

          Copyright(c) 2004-2010 Cosmo Consulting co.,Ltd.All right reserved